蒸し料理というとどんな物を思い浮かべますか?
私は日本料理だと茶碗蒸し、中華料理だと肉まん、シューマイぐらいです。
意外と思い浮かびませんね。
具材にもよりますが、蒸し料理は油を使いませんので、ヘルシーでダイエットにはよい
料理かもしれませんね。
でも蒸し料理をするには、いちいち蒸し器を出したり、うまくいかないでベシャベシャ
になったりと手間がかかりそうです。
ですので、簡単に出来る電子レンジを使ってしまう人が多いのではないでしょうか?
別府の地獄蒸しで生よりもシャキシャキになる
蒸す調理法は、ゆでてしまうと溶け出してしまう栄養を逃がさずに、そしてカロリーも
控えめです。
ただ、ほうれん草のような葉ものの野菜は蒸すとクタクタになり、歯ごたえがなくなっ
てしまいます。
ところがです、大分県別府のごく一部の常連客の間でひっそりと受け継がれてきた「地
獄蒸し」、シャキっと歯ごたえがある不思議な蒸し料理になる、不思議な蒸し料理で
す。
ほうれん草、たまねぎ、白菜などの葉物もシャキシャキとなります。
しかも蒸せば蒸すほど歯ごたえが増します。
70℃前後の低温蒸しで、歯ごたえが増す
蒸せば蒸すほど歯ごたえが増す不思議な「地獄蒸し」の秘密は、ふたをずらし、中の温
度を下げるところにあります。
地獄蒸しで調理しているときの温度を測定してみると70℃前後と一般的な蒸し料理の
100℃に比べ、かなり低くなっています。
実はこの温度に、重要な秘密が隠されていそうですね。
野菜などを高温で蒸すとベシャべしャになってしまうのは、細胞の外側の細胞壁が破れ
てしまうからです。
一方、「地獄蒸し」の加熱温度70℃前後で熱すると内部の細胞膜は破れるが、細胞壁は
緻密化して、むしろシャッキとした歯ごたえになります。
絶妙な蒸し具合は、この温度から生まれています。
そして、栄養面でも普通に蒸したときの3倍もの量のビタミンCが、70℃で蒸したもの
にはあります。
これが歯ごたえ、栄養とも優れた蒸し方「低温蒸し」であります。
70℃で蒸せば、無限に美味しさアップ
70℃の低い温度で蒸す低温蒸しには、もうひとつ大きな魅力があります。
それは驚くほど美味しさがアップすることです。
たとえば、しいたけを低温で蒸すと、うまみ成分グアニル酸が普通に蒸したしいたけの
3倍の量になるそうです。
70℃の温度で蒸す方法は美味しさアップの魔法の調理法ですね。
(ためしてガッテン参照)